2010年09月16日

CDEC2010で発見!「ハプティックアダプタ」(東京工業大学 熊澤研究室)

今年から新設された「CEDEC2010 ポスター発表」
そこで眼を奪われたのが、東京工業大学・熊澤研究室が開発した「ハプティックアダプタ」です。


東京工業大学 熊澤研究室
http://kuma2.isl.titech.ac.jp/
ハプティックアダプタ
http://kuma2.isl.titech.ac.jp/research/hapticadapter.html


最初、タッチパネルデバイスの新技術なのかなと思って覗いて見たところ、なんとタッチパネルを操作する側の新しいデバイス技術でした。
まずは、解説ビデオをご覧下さい。

東工大 熊澤研究室 - ハプティックアダプタ・デモ映像-
URL:http://www.youtube.com/watch?v=2YJTghWxzvY


ハプティックアダプタ - タッチパネルに触感を与える新しいUI : DigInfo


HapticAdapter001.jpg
HapticAdapter002.jpg
HapticAdapter003.jpg
hapticadapter_x.png

このように、ハプティックアダプタ(Haptic Adapter:HA)は、ゲーム機本体を改造することなく、タッチパネル操作を行う上で、手に物理的な操作感をもたらすデバイスです。
タッチパネルデバイスで様々なインタラクティブコンテンツの製作に挑戦している自分としては、居ても立っても居られなくなり、熊澤研究室の方に無理を言ってお借りすることができました。(熊澤研究室の皆様、本当にありがとうございます)

お借りしたハプティックアダプタは、下記の3種類です

・装着型ハプティックアダプタ(柔らかい)
・装着型ハプティックアダプタ(固い)
・スティック型ハプティックアダプタ


特に面白いのが、装着型ハプティックアダプタです。
装着型ハプティックアダプタ専用に開発されたゲームでは、ハプティックアダプタをアナログスティックのように操作できるだけでなく、「押し込む」ことでジャンプすることもできます。




実際に、これらのハプティックアダプタを使って、iPhoneのゲームをやってみました。

ハプティックアダプタ・レビュービデオ

http://www.youtube.com/watch?v=Au64GKeRUOI


【ACTION BOWLING:スティック型ハプティックアダプタ】
ボーリングゲームです。
指で前にはじくとボールを投げるのですが、指の状態によってはうまく滑らず「はじく動作」にならないことがありました。
スティック型ハプティックアダプタを使うと、間違いなく100%「はじく」動作を認識してくれます。ボーリングとスティック型ハプティックアダプタの相性は抜群で、操作性が格段にアップ。いつも以上に楽しくプレイできました。
スティック型ハプティックアダプタは、ボーリング、ゴルフ、ビリヤードなどと非常に相性が良さそうです。


【ASIAN PAINTING:スティック型ハプティックアダプタ】
ペイントソフトです。
スティック型ハプティックアダプタの「へら(押下型)」の部分を使って書いてみました。
まさに筆っぽく書くことができ、筆圧もバッチリ認識してくれました。
たぶん、今回お借りしたスティック型ハプティックアダプタは、柔らかい「筆」をイメージして作成されていると思うのですが、個人的にはもうちょっと堅さのある「ペン」もほしいなと思いました。


【STREET FIGHTER W:装着型ハプティックアダプタ
個人的にiPhoneで一番プレイしている格闘ゲーム「STREET FIGHTER W」です。
操作は"VISUAL PAD"と呼ばれる画面上のパッドを操作して行います。
装着型ハプティックアダプタを使ってプレイしてみましたが、PS2のアナログコントローラーのような感覚があり「波動拳」を入力してる感は十分です。しかし、操作するにつれハプティックアダプタがVISUAL PADの中央からずれるのが気になりました。
ただ、この装着型ハプティックアダプタは、そもそも、このように固定したインターフェイスとして使うことを想定されているものではないので、熊澤研究室としても想定外の使われ方だったと思います。
VISUAL PADのような固定されたインターフェイスのハプティックアダプタは需要もあると思われますので、今後の研究に期待したいところです。


【PACMAN:装着型ハプティックアダプタ】
今年で30周年のパックマンです。
操作は、オプションでフリックモードにしてプレイしました。フリック操作なので、慣れれば「STREET FIGHTER W」と同様に、PS2のアナログコントローラーのような感覚で操作できました。
ただし、機敏な入力をしようとすると、うまく反応しないことがあり、特にT字路などでは直前で操作しても入力が間に合わないようなこともありました。


【RIGE RACER:装着型ハプティックアダプタ】
日本のレースゲームを代表する「RIGE RACER」です。
操作は、オプションで「タイプ3」を選択してプレイしました。
「手」で操作すると、かなり敏感に反応して直線でも左右にぶれることがあるのですが、装着型ハプティックアダプタであれば、PS2のアナログコントローラーのような感覚で操作できました。
ただ「ずれ」の問題が発生すると、うまく操作できないことがありました。


【HERO OF SPARTA:装着型ハプティックアダプタ】
ACTION BOWLINGに続いて、ハプティックアダプタと相性の良いゲームです。
「STREET FIGHTER W」のVISUAL PADに似たインターフェイスですが、アナログ操作で、かつ操作範囲に「遊び」があるため、普通に操作できました。
ソフト側をハプティックアダプタ専用にカスタマイズすれば、さらに良くなるのではないかと思います。


【KANON DRUM:スティック型ハプティックアダプタ】
ドラムソフトです。
スティック型ハプティックアダプタで叩いてみました。
タッチパネルを指で叩くより、気持ち良いですw
ただ、今回お借りしたスティック型ハプティックアダプタが柔らかいため、スティックで叩いてから離すまでの時間が長く思えました。(柔らかいので、あまり反発しないためだと思われます)
個人的に、ドラムソフト専用のドラムスティック型ハプティックアダプタがあれば、iPadとドラムソフトでかなり楽しめるのではないかと思います。


【MIRGE DVJ:スティック型ハプティックアダプタ】
手前味噌ですが、オープランニングで開発中のMIRAGE DVJをスティック型ハプティックアダプタで操作してみました。
押す力の強さでエフェクトが変化しています。




まとめ

ハプティックアダプタは、ゴム素材をベースに作られています。安価で、かつ、自由な形状で、さまざまなデバイスを作ることができるハプティックアダプタは、ぜひゲーム業界のメーカーにも活用してほしいと思いました。初回特典とかでハプティックアダプタが付いていれば、プレイヤーにも喜ばれると思います。

ハプティックアダプタの出来についてですが、デバイスとソフトの作り込み次第です。
現状で、スティック型ハプティックアダプタのボーリングゲームや、ペイントソフトとの相性は抜群で、そのまま市販されても問題ないレベルだと思います。

一方、装着型ハプティックアダプタについては、ソフト側が装着型ハプティックアダプタに対応したチューニングをする必要があると感じられました。また装着型ハプティックアダプタ自体にも、まだまだ調整の余地がありそうです。

しかし、「押し込みジャンプ」など、通常のタッチパネルではできない操作性が実現できるほか、この研究の柱である「触感」をフィードバックしてくれるこのデバイスは、非常に面白いと感じています。
今後も、ハプティックアダプタの研究が進み、これまでに見たことのないような操作性のデバイスが誕生することを夢見ています。

posted by 企画屋一号 at 15:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 技術紹介
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