しかしながら、企画書の制作ノウハウは国内ではあまり共有されていません。
これはゲーム会社ごとに「ゲームを作る文化」があり、その文化の数だけ企画書の種類があるためです。
さらに海外では、"Game Design Document"と呼ばれるものがあり企画書の文化がまた大きく変わります。

詳しくは「続きからを読む」から。
--------------------------------------
国内で海外の企画書を見る機会は、ゲーム会社の社員でも海外事業に携わるスタッフなど、かなり限定されるのではないでしょうか?
古い資料ですが、現在の海外のゲーム業界でよく見られる企画書に近い形式です。
"Critical Mass" Colin Fahey (C)2001
Game Design Document
http://colinfahey.com/critical_mass_game_design_2002/critical_mass_game_design_2002_en.html
また、アメリカの大学SEATで使われているGame Design Documentの教材(ひょっとしたら学生の制作物かもしれませんが)が公開されています。
SEAT : Game Design Document
http://www.seat.utulsa.edu/cs4513/GameDesignDocs.ppt
http://www.seat.utulsa.edu/
では、国内の企画書との違いを箇条書きで説明します。
・詳細である。ゆえにページ数も膨大である。
・プラットフォーマー、パブリッシャーにゲーム開発許諾を得るには、これくらいの詳細な書き方が必要である(例外もあります)
・図解も必要だが、文章による説明が重視される。論文の書き方にアプローチは近い。
・技術、およびスペックが重視される。どのような最新技術が使われているかが重要である。
・ボリュームが重視される。どれだけのボリュームでどれだけの時間が遊べるかが問われる。これは、アメリカではゲームのレンタルが一般的であるため、長時間遊べないゲームはレンタルで済まされてしまうため。
・開発スタートのためには、これらの資料にさらにプロトタイプのプログラムが必要であることが多い。
海外の場合、ゲーム開発者は大学からゲーム会社という流れが出来ており、また、大学で論文とGame Design Documentの書き方を学んでいるため、Game Design Documentの多くは、同じようなフォーマットで作成されています。
海外メーカーといっしょに仕事をする場合、事前にこれらのことを知っておくと気持ち的にも少し楽になるかもしれません。